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原島税理士事務所
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損益計算書と貸借対照表の見方

損益計算書

損益計算書は売上高から順々に費用を差し引いて計算していきます。

 

売上高・売上原価

売上高から売れた商品の原価を差し引くと売上総利益(粗利)が計算できます。

100円で仕入れてきたものを150円で売りました。

この場合の売上高は150円、売上原価は100円、売上総利益(粗利)は50円となります。
しかし日常、会社で商品1つ1つをいくらで仕入れていくらで売ったのかを個別に算定することは難しいです。そこで売上原価の算定方法として

【前期からの売れ残り+当期に新しく仕入れた商品-当期末に売れ残っている商品】
とすることで差引、売れた分を算定します。

 

それが以下の図になります。

通常の売上原価計算(図)

期首商品棚卸高・期末商品棚卸高

期首商品棚卸高とは、前期以前から売れ残ってきている在庫です。

会計処理は先入れ先出しの考えで計算しますから売上原価算定の時には先に仕入れたものから売れたとして考えていきます。

期末商品棚卸高は、期首商品も含め期末時点でどれだけの在庫が残っているかを金額で表したものです。
期末棚卸が増えると、売れ残っている商品が増加するわけですから差額で求める売上原価も小さくなります。
売上原価が小さくなれば、売上総利益は大きくなります。

 

会議費と交際接待費の違い

交際接待費は、主にお客さんとのゴルフや食事代などが該当します。  
会議費は、5000 円以下で食事をした人の名前を明記することが要件となります。
どちらでもいいのではないかとなりますが、大事なのは交際接待費は支払った全額の 1 割は税務上損金不算入、つまり経費と認められません。  
仮に 1 年間で支払った交際接待費が 500 万円だったとするとその 1 割 50 万円は経費として認められないのです。  
しかし会議費はこういった要件がありません。ですから 5000 円以下で名前が明記できる場合は会議費とした方が節税対策になります。

 

減価償却費とは

建物や車などを購入した時、買った時に全額一括で費用にはできません。  
なぜなら買ったその年(当期)だけ使うわけではないからです。
買った年からその建物や車を処分するまでの期間で費用化していくことを減価償却といいます。

期間損益の考え方(図)

営業利益

営業でかかった経費は【販売費及び一般管理費】として表示されます。交際接待費・旅費交通費・役員報酬などがここで表示されます。
営業利益は売上高から売上原価を差し引いて、さらに販売費及び一般管理費を差し引いて計算されます。この営業利益がマイナス(赤字)になっているということは本業(商売)がうまくいってないということが考えられるのです。

 

経常利益

経常利益は営業利益から直接営業に関係がない費用・収益、例えば借入金の支払利息、貸付金の受取利息などを足し引きして求めます。

 

特別損失・特別利益

通常ではあまり起こらない事象により臨時で発生してしまった経費やもらった収益は特別損失・特別利益という名目で表示されます。
例えば、火災で家が燃えてしまってなくなったなどが考えられます。
特別損失や特別利益を足し引きして計算されるのが当期純利益になります。

 

当期純利益

当期純利益は要するに会社が得た全部の収益からかかった全経費を差し引いたものになります。

 

貸借対照表

貸借対照表は資産の部・負債の部・純資産の部の 3 部で構成されています。
これらは会社の財政状態を表すものです。

 

◆ 資産の部 ◆

資産の部は換金可能なものや利益を生むものをさします。
具体的には、現金・預金・売掛金・商品・建物・車・保証金などです。
資産の部ではこれらをさらに細かくわけて表示します。

大きく分けるカテゴリーとしては

【現金および預金】
・・・現金と預金(普通・当座)
【流動資産】
・・・1 年以内に換金されるもの
【固定資産】
・・・1 年以上にわたって換金または営業の為継続使用をするもの

固定資産はさらに分類されます

⇒[有形固定資産]
・・・形が有り、固定資産の要件を満たすもの・建物・車など
⇒[無形固定資産]
・・・形は無いが、固定資産の要件を満たすもの
【投資その他の資産】
・・・長期保有する目的の資産(株など)

以上の 4 つのカテゴリーに分類・表示されます。

 

◆ 負債の部 ◆

負債の部は資産の部で表示されているものを買う為に何を元手としたのかを表します。
例えば、借入金や買掛金が該当します。
負債の部も分けて表示されます。

【流動負債】
・・・1 年以内に支払うもの
【固定負債】
・・・1 年を超えて支払うもの

5年間で借り入れた借入金は固定負債に表示され、社長からの借入金は1年以内に返済とみなされ流動負債に表示されます。

 

◆ 純資産の部 ◆

純資産の部は会社の純粋な財産を表し、会社本来の元手を表します。

資本金・・・会社経営のために会社に蓄えておく財産
繰越利益剰余金・・・毎期の利益が振り替えられていく科目

毎期赤字の場合はこの科目がマイナス表示になります。

損益計算書は 1 期分の経営成績を表し、
貸借対照表は10期分の積み重ねを表しています
この会社は純資産が10期で20万しか増えてない会社ということになるのです。
当期の損益計算書は黒字になっているが、貸借対照表を見ると赤字・黒字を繰り返している会社で、商売がうまくいってないのではないか?ということ読み取れるのです。

 

立場によって損益計算書・貸借対照表を見る視点が変わる。
社長は、それぞれの視点について知っておかねばならない。

 

社長の視点

社長が見るべき視点は、売上高・営業利益・経常利益の3つです。

経常利益は、限界利益ともいい売上高と全経費の損益分岐点を表します。
損益分岐点とは売上高から経費(費用)を差し引いたときに経常利益が0になることです。
これを利用して、損益分岐点売上高(売上高と費用が等しくなる売上高)を逆算で求めることもできるのです。

見るだけではなく限界利益を算定してどのくらいの売上高を上げればどのくらいの利益が出るのかということを把握することが必要になります。
またその売上高と利益が合致しているのかも注視すべきです。
例えば、売上高 1 億円で営業利益が50万では利益率は0.5%。つまり採算がとれていないということになり、経費(販管費)の増えすぎが考えられます。

損益計算書(P/L)に表記される売上高・営業利益・経常利益については、少なからず関心をお持ちの経営者も多いです。

一方、軽視されがちな貸借対照表(B/S)で社長が注視すべきポイントです。

まずは、流動資産と流動負債

流動資産は1年以内に換金できるものであり、流動負債は1年以内に支払わなければいけないもの。
流動資産を流動負債で割ったものが流動比率。
この比率は、手元に入ってくるお金が支払いで出ていくお金を上回っているかどうかの判断材料になります。
流動比率の安全圏は 200%と言われていますが、100%を超えていれば、手元に入ってくるお金 > 出ていくお金になる為資金的には大丈夫と言えるかもしれないが、陳腐化した商品や回収できない売掛金を除いて計算すると流動比率が 97%まで下がってしまいます。
すなわち、手元に入ってくるお金 < 出ていくお金になる為資金ショートを起こす可能性があると判断できるのです。

陳腐化した商品や回収できない売掛金など実態の把握を社長はするべきであり、それらを除いて流動比率が計算できるのが望ましい。

流動比率を確認した次は当座比率です。

現金及び預金合計を流動負債で割った比率の事をいい、
何を意味するかというと現金と預金は即時支払いに使えるものですからこれを1年以内に支払わなければならないもので割ると、即時の決済力がわかります。つまり今すぐ支払うとしたらどれだけの支払い力があるのかということです。
この当座比率を意識し対応していれば、『お金が無い』状態を回避できるはずです。

 

トピックス『利益が出てるのにお金が無いのはなんで?』

パターン1

過剰在庫!

⇒在庫が増えすぎることもお金が足りなくなる原因です。

利益とは売上−原価となります。

下図のように原価とは(機首在庫+仕入れ在庫−期末在庫)から算出をしますので、
期末に在庫が増えているようであれば、売上原価は減少し、利益は増えます。
しかし、仕入れた在庫の支払いは発生するので、キャッシュは出てってしまうので、お金が不足するのです。

 

期末卸高が増えたら?(図)

パターン2

借入金の過多!

借入金の返済は、利益増減に影響の無い貸借対照表の科目(借入金勘定・現金勘定)が増減するだけですので、いくら利益が出ていても、返済金が過多ですと、ですから損益計算書と実態の現金収支が合わなくなるのです。

 

パターン3

回収と支払いのズレ!

(例)4/1 に掛けで100万売上げた。この売掛金が入金されるのは5/30(翌月末)である。
4/2に商品を掛けで80万仕入れた。この買掛金の支払い期日(月末)は4/30である。

入金⇒5/30
支払い⇒4/30

支払いが前倒しで先に来てしまう。この状態がずっと続くと?

 

回収と支払いのズレ(図)

仕入先がもっと増えたら?支払いがどんどん苦しくなる。
買掛金・未払金が減少するばっかりで、お金が手元に残らない。
売掛金・売上は計上されていくが、売掛金はずっと残ったまま。
これが利益あって銭足らずの正体です。

 

税務署の視点

税務署はまず損益計算書・貸借対照表を3期(今期、前期、前々期)並べて見る。
見ていく項目としては、売上高・外注費・粗利・営業利益・交際接待費。

 

売上が下がっているのに売上原価・外注費が増加している

こういった所から税務署は怪しいなというきっかけを掴み、他の科目を詳細にチェックしようとするのです。
交際接待費が前期、前々期と比べて異常に増えていないかなどチェック項目を増やしていきます。

 

●現金預金が650万あるのに、短期借入金が600万増えたのはなぜ?

⇒短期借入金は社長から会社が借りているお金です。

決算が3/31の場合、申告は8/31までになります。

利益が出すぎてしまった、税金を払いたくないとなった場合、3/31付で預金は締め切っていますので3/31以前の日付で引き出したりすることはできません。通帳を見れば一目瞭然です。

ですから、社長からの借入金を使って経費を後付しようとするのです。
以上のことから借入金が急に増えたとなると税務署は、「経費を水増ししているのではないか」と怪しむのです。

 

●貸付金・仮払金もよくチェックされる項目の一つです。

どういったことが怪しまれるのかというと、従業員への貸付金・仮払金があった場合です。
貸付金・仮払金を給料として数か月後に相殺した場合、源泉所得税の逃げ道になるからです。
たとえば、H23年1月に貸付をして、それを平成23年12月の給料と相殺した場合、本来であれば1月の給料として扱わなければならないものを12月まで先延ばしにしたことになり源泉の滞納として扱われるためです。

 

【ここで具体例】

1月31日・・・

社長「A君、今月の給料30万。」

社長「あ、でも給料として渡すと源泉払わないといけないしな・・・。」

社長「よしA君!!これ貸したことにするわ。貸付金にすれば源泉関係ないもんね♪」

A君「わかりました。僕も手取り増えるからこの方がいいです。」

そして12月・・・

社長「貸付金360万がB/Sに載ってるとまずいんだよな~。銀行にもこれ何ですか?って聞かれるし。ここで貸付金から給料に振り替えればいいんだ!源泉も払わなくていいし万事OK!」

さて、このやり取りは何が問題でしょうか?

所得税の本来の流れと逃げ道(図)

本来、1月の給料としなければならないはず。
納付すべき期限を過ぎている為、滞納になる。
この滞納分の所得税は重加算税の対象になります。
税務署は重加算税を調査で取りたいわけですから、当然この逃げ道も厳しくチェックします。

 

●貸付金・借入金の金銭消費貸借契約書があるかどうか?

金銭消費貸借契約書がないものは否認されてしまいます。
金利は自分たちが借りている利息の最低ラインでいいので、借入先で一番低い金利が 1.5%の場合はこの 1.5%で利息を受け払いしていれば大丈夫なのです。

●タレ込みに気をつけろ!

税務調査では売上・売上原価・棚卸の金額からチェックしていくのが通常のステップといえます。
しかし、外注費からいきなり見始めたり、交際接待費を調べ始めたりした時は通常の段取りとは異なります。ではなぜ通常とは違う段取りで見始めるのか?

その場合、税務調査官は『タレ込み』によって調査に来ているからです。

タレ込みとはいわゆる告げ口です。
『あの会社もっと稼いでいる筈なのに売上少ないよ』
『あそこ外注なんて頼んでないのに、計上しちゃってるよ』などと税務署にタレこむわけです。

タレ込む人は元従業員、同業者、近所の仲が良い人などです。まさかあの人が?という人がタレ込みをすることも多いですから、自慢や儲け話はしないに限ります。

 

金融機関の視点

金融機関は融資をする際、貸借対照表を重視する傾向にあります。

●中でも純資産合計が資本金より多くなっているかどうかは重要です。
なぜなら、純資産は今までの利益の積み重ねですから、純資産合計がマイナスになっているということは今までの商売・営業がうまくいっていないということになってしまうのです。商売がうまくいっていないところは資金も厳しいはずですから返済がきちんとできるのかどうかの判断はやはり厳しくなります。

●融資を申しこんだ際に納税証明書その3を要求されることがあります。
なぜか?それは滞納税金があるかどうかを知りたいためです。
滞納税金があると納税証明書その3は発行されませんので、滞納があるかどうかが明らかになります。
ではなぜ滞納税金があるかどうかを知りたがるのか。
金融機関は融資する資金を事業に使ってほしいのであって、税金を払う為に使ってほしくはないからです。
『税金を払って終わり』では融資金が事業に生かせないのですから回収も難航するのでは?と懸念されてしまうのです。
しかし滞納税金があるから融資してもらえないというわけではありません。
事業で使うということが明確になればいいのです。

●続いて見られる科目としては、貸付金・借入金・保証金(権利金)です。
いずれも貸借対照表の科目です。
まず貸付金ですが、税務署と異なって「税金の逃げ道」としてチェックされるのではなく単純に『お金に困っているのなら、まず“貸している”ものを返してもらえばいいじゃないか』となるわけです。金額の大小はありますが、金額が大きすぎるとこういった話になってしまいます。

●次に借入金です。
借入金は『誰からの借入金なのか』がチェックされるポイントです。
社長からの借入金が1000万あったとします。
社長の年収(役員報酬)が480万なのに社長からの借入金が1000万はおかしいです。
社長が消費者金融から借りてきているのか?と推測されてしまうわけです。
『消費者金融から借りている』ということは会社的には価値を下げてしまう事実ですので、金融機関も懸念します。

 

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